Conditions
腹圧性尿失禁
咳・くしゃみ・笑う・運動など、おなかに力が入ったときに尿がもれる状態です。出産や加齢が背景にあることがあります。
監修:丸山 真理子(産婦人科専門医)
腹圧性尿失禁は、骨盤底の筋肉や組織が尿道をしっかり支えきれなくなることで、おなかに力が入った瞬間に尿がもれてしまう状態です。運動や日常の動作のたびに気になり、外出や運動を控えるようになる方もいます。
症状の程度は、少量が時々もれる場合から、こまめな対応が必要になる場合までさまざまです。妊娠・出産や加齢は背景要因のひとつですが、原因や程度によって対処の考え方は異なるため、ひとりで抱え込まず医療機関で相談することがすすめられます。
← 横にスワイプすると全体が見られます
受診の目安
もれで外出や運動を控えている、量が増えてきた場合は、婦人科・泌尿器科にご相談ください。原因の評価により選択肢が異なります。
早めに相談したいサイン
- 尿に血が混じる
- 排尿時の痛みや発熱を伴う
- もれる量が急に増えた
- 下腹部に強い痛みや違和感がある
これらに当てはまる場合は、セルフケアで様子を見るのではなく、早めに医療機関にご相談ください。強い痛みや急な変化があるときは、受診できる医療機関を早めに探してください。
主な症状
- 咳・くしゃみ・重い物を持つときにもれる
- 運動・ジャンプでもれる
- 少量ずつ、力が入った瞬間にもれる
考えられる背景・原因
- 骨盤底の支持組織のゆるみ
- 妊娠・出産の影響
- 加齢・体重・慢性的な腹圧
なぜ起こるのか(からだのしくみ)
- 骨盤底の筋肉や靭帯が尿道を支える力が弱まると、腹圧がかかった瞬間に尿道が閉じきらないことがあります。
- 妊娠・分娩の際に骨盤底の組織や神経に負担がかかり、支持力が変化することがあります。
- 加齢に伴う組織のはりや弾力の変化が、尿道を支える力に影響することがあります。
- 慢性的な咳や便秘による繰り返しの腹圧が、骨盤底への負担を積み重ねることがあります。
- 体重の増加が骨盤底への負荷を増やす一因になることがあります。
セルフケアの考え方
- 骨盤底筋のトレーニングを正しい方法で行う
- 急激な腹圧を避ける工夫
- 体重・便秘など背景要因のケア
医療機関では何をするのか
- 問診でもれる場面(咳・運動など)や量、頻度について詳しく確認されます。
- 内診で骨盤底の状態や臓器の下がり具合を確認することがあります。
- 咳をしたときにもれの有無を確認する検査が行われることがあります。
- 排尿日誌や吸水パッドを使った量の確認をすすめられることがあります。
- 必要に応じて、尿の流れや膀胱の機能を調べる検査が行われる場合もあります。
実際に行う内容は、症状や施設の体制によって異なります。すべてを一度に行うわけではありません。
対処の選択肢(考え方)
骨盤底筋トレーニング
骨盤底の筋肉を正しく動かす練習です。専門家の指導のもとで継続することで、支える力の変化が期待できる場合があります。
生活習慣の見直し
体重管理や便秘の改善、重い荷物を持つ際の工夫など、骨盤底への負担を減らす生活の見直しがすすめられることがあります。
専門家によるリハビリ指導
理学療法士など専門家による個別の指導を受けることで、正しいトレーニング方法を身につけやすくなるとされています。
医療的な処置の相談
生活の工夫やトレーニングで十分な変化が見られない場合、医療機関でさらに詳しい選択肢について相談できます。
選択肢は症状の程度や本人の希望によって異なります。
どの方法が適しているかは、原因・程度・生活・ほかの病気の有無によって変わります。当協会は特定の方法や製品をすすめる立場にありません。判断は必ず医療機関で行ってください。
日常でできる工夫
- くしゃみや咳の前に骨盤底を軽く締める習慣を身につける方法があります。
- 重い荷物を持ち上げるときは、息を止めずに動作することを意識します。
- 尿もれ用のパッドや専用の下着を活用すると、外出時の安心につながります。
- 便秘を放置せず、繰り返しのいきみを減らす工夫を取り入れます。
- 適度な運動で体重や姿勢を整えることも背景要因のケアになります。
- 座り方や姿勢を見直し、骨盤底への負担を減らす工夫もあります。
よくある誤解
「出産経験がなければ関係ない」
妊娠・出産は背景要因のひとつですが、それ以外の要因でも起こることがあり、経験の有無だけで判断はできません。
「尿もれパッドを使うのは負けだと感じる」
パッドの活用は生活の質を保つための実用的な工夫であり、恥ずかしいことではありません。
「運動は控えたほうがよい」
自己判断で運動をやめるより、骨盤底に配慮した動き方を専門家に相談するほうが、生活の幅を保ちやすいとされています。
受診のときに伝えるとよいこと
- どのような動作でもれるか(咳、くしゃみ、運動など)
- もれの量や頻度、いつ頃から気になり始めたか
- 出産歴や過去の手術歴
- 現在行っている運動や仕事の内容
- パッドの使用状況や1日の交換回数
よくある質問
骨盤底筋トレーニングだけで改善しますか?
正しい方法で継続することで変化が期待できる場合がありますが、程度によって現れ方には個人差があります。専門家の指導を受けながら進めることがすすめられます。
産後どのくらいで相談すればよいですか?
産後の回復には個人差があるため、時期にこだわらず、気になる症状が続く場合は早めに産婦人科へ相談してかまいません。
運動は続けてもよいですか?
自己判断でやめるのではなく、骨盤底への配慮の仕方について医療機関や専門家に相談しながら続けることがすすめられます。
男性にも起こりますか?
女性に多いとされていますが、前立腺の手術後など男性にも起こることがあります。気になる場合は泌尿器科にご相談ください。
関連するケア・管理
本ページの本文は編集部による下書きです。産婦人科・泌尿器科の専門医による監修を経て確定します。
Medical notice
本ページは一般的な情報提供を目的としています。特定の効果を保証したり、診断・治療に代わるものではありません。症状がある場合は医療機関にご相談ください。
監修:丸山 真理子(産婦人科専門医)
この症状を相談できる参加施設
Find a specialistまつもとウィメンズクリニック赤羽
東京都北区婦人科・産科
担当医 松本 佳余子 先生
赤羽駅から1分。更年期の相談のなかで尿もれも扱う
竹山病院
新潟県新潟市中央区婦人科・産科・内科
担当医 竹山 智 先生
他院で産んだ人も使える産後ケア。市の委託を受けて受け入れる
下平レディスクリニック
東京都杉並区婦人科一般
担当医 中島 由美子 先生
1989年から東高円寺で。思春期から更年期まで女性スタッフだけで診る
腹圧性尿失禁に関わる診療科をもとに、参加施設の一部を紹介しています。掲載順・選び方は会費・協賛で変わりません。