Pelvic floor

骨盤底とは

骨盤底は、排泄や性機能のコントロール、体幹の機能にまで関わる大切な組織ですが、その名前はあまり知られていません。「筋肉群」と呼ばれますが、実際には筋肉だけでなく、さまざまな組織が骨盤の周囲と連動して働いています。どこにあり、何からできていて、どんな働きをしているのかを解説します。

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どこにあるのか

Location

骨盤は、からだの中心にある腰から下の空間です。寛骨・仙骨・尾骨から構成され、脊椎や股関節とつながって体重を支え、上半身と下半身をつなぐ役割を果たしています。骨盤の中には膀胱や腸のほか、女性では子宮や卵巣、男性では睾丸や前立腺といった器官があり、骨盤にはそれらを保護する役目もあります。

座ったときに触れる左右の座骨の間が骨盤底です。およそ12〜14cmの空間で、 20代の女性ではおよそ5〜9cmの厚みがあります。この骨盤の底に、ハンモックのように広がって臓器を下から支えているのが骨盤底筋群です。

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PRESSUREくしゃみ・重い物・いきみ膀胱子宮直腸骨盤底筋肉・筋膜・結合織のあつまり恥骨(前)尾骨(後ろ)骨盤FIG. 01骨盤底は、器の底に張られたハンモック
模式図。臓器の位置・形は実物と異なります。骨盤底は膀胱・子宮・直腸を下から支え、くしゃみや重い物を持ったときに上からかかる圧を受け止めています。
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何からできているのか

Structure

骨盤底筋群は、筋肉・筋膜・結合織(ファシア)からできています。

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FIG. 02「筋肉群」と呼ばれるが、三つの層でできているMUSCLE筋肉肛門挙筋(恥骨直腸筋・恥骨尾骨筋・腸骨尾骨筋)、内外の括約筋など。ゆるめる/締めるを担う。FASCIA SHEET筋膜内骨盤筋膜・骨盤隔膜・会陰膜。筋肉を包み、臓器を正しい位置に保つ。CONNECTIVE TISSUE結合織(ファシア)コラーゲンとエラスチンの立体的な網。強さと柔らかさを受け持つ。三つは別々ではなく、互いに連動して一枚のはたらきをする。
模式図。層の厚さの比率は実物と異なります。

筋肉

それぞれが互いに連動して働きます。

  • 恥骨直腸筋(肛門挙筋)
  • 恥骨尾骨筋(肛門挙筋)
  • 腸骨尾骨筋(肛門挙筋)
  • 外肛門括約筋
  • 内肛門括約筋
  • 深会陰横筋
  • 浅会陰横筋
  • 外尿道括約筋
  • 球海綿体筋
  • 坐骨海綿体筋

これらの筋肉だけでなく、上の端は背骨の周りにある多裂筋、前はおなかの深層にある腹横筋、下は内転筋につながって連動しています。またこれらの筋肉を包み込み、支えているのが筋膜です。

筋膜

内骨盤筋膜(Pelvic Fascia)

骨盤内の多くの器官を包み込む薄い膜です。内臓を支持し、正しい位置に保つ役割を果たします。外側の浅層内骨盤筋膜は外部の器官を包み込み、内側の深層内骨盤筋膜は膀胱・子宮・直腸などの臓器を支えています。

骨盤隔膜

骨盤底筋群を包む膜状の組織で、主要な筋肉である肛門挙筋の周りに存在します。肛門挙筋の強度と安定性を支えることで、肛門と膣壁の位置と圧を保ちます。骨盤底の上部境界を形成し、内臓器官を支えています。

会陰膜(Perineal Membrane)

骨盤底筋群のうち最も表層に位置する膜状の組織で、外陰部の底を形成します。尿道と肛門の周りで、尿道外括約筋や肛門外括約筋などを包み込み、骨盤隔膜を左右から支えています。

これらの筋膜は、筋肉とともに骨盤底を形づくり、内臓の位置を正しく保ち、排尿・排便・外陰部の働きをコントロールしています。

結合織(ファシア/fascia)

筋肉や筋膜のあいだには、ファシアと呼ばれる結合織があります。ファシアは、主にプロテオグリカンで満たされた、コラーゲンとエラスチンからなる立体的なネットワーク構造です。従来の解剖学で用いられてきたホルマリン固定された組織では、この立体ネットワーク構造の存在は知られていませんでした。

これらの分子は結合織の強度と柔軟性に関わっており、加齢や動かさないことによるファシアの変化は、疼痛やGSM(閉経関連尿路生殖器症候群)、骨盤臓器脱などの症状と関連していると考えられています。

※ 骨盤底の定義や分類の方法には複数の説があります。

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どんな働きをしているのか

Function
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支持機能

骨盤内にある子宮・直腸・膀胱などの臓器を、下から支えます。

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尿道および肛門の制御

尿道と肛門をゆるめたり締めたりして、排泄をコントロールします。

03

性的機能

性的な興奮と快感のコントロールに関わります。

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腹圧の調整

排便時などおなかに力を入れた際に直腸へ腹圧を伝え、圧力がかかった内臓を保護します。

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体幹の安定

腹横筋や多裂筋とつながって一緒に動くことで、体幹の機能にも重要な役割を果たします。

筋肉・筋膜・ファシアからなる骨盤底筋群は、骨盤の底で内臓を支え、排泄と性機能という人にとって重要な機能をコントロールしています。そして、連動する他の筋肉とともに、体幹の機能にも深く関わっています。

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なぜ負担がかかりやすいのか

History

骨盤底筋群は、進化の歴史のなかで、人が二足歩行をするようになってから、内臓を支える構造としての重要度が増しました。骨盤底筋群で最も主要な筋肉である肛門挙筋は、人以外の動物では尾を動かすことが主な役割でした。直立二足歩行を行う人では、姿勢の変化による影響を受けて、その役割が骨盤内臓器の保持へと変化したとされています。

このため比較的近年になってから得られた機能が多く、骨盤底筋群とその機能はもろく弱いとされています。人は立ったり座ったり、基本的に縦の姿勢で生活しており、骨盤底には常に負荷がかかっています。

Medical notice

本ページは一般的な情報提供を目的としています。特定の効果を保証したり、診断・治療に代わるものではありません。症状がある場合は医療機関にご相談ください。

本ページは、当協会が pelvicfloor.jp で公開してきた解説を移行したものです。一般的な情報提供を目的としており、診断・治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は医療機関にご相談ください。