Conditions

過活動膀胱(OAB)

急に強い尿意を感じ、我慢しにくくなったり、トイレが近くなったりする状態の総称です。原因や程度は人によって異なります。

共通女性男性

監修:丸山 真理子(産婦人科専門医)

過活動膀胱は、膀胱が本来ためられるはずの尿量に達する前に、強い収縮を起こしてしまうことで生じると考えられています。急な尿意に驚いて外出を控えたり、トイレの場所を常に気にしたりするようになる方も少なくありません。

症状の出方や強さには幅があり、一時的な体調の変化で強まることもあれば、長く続くこともあります。年齢や性別を問わず起こりうる状態であり、恥ずかしいこととして相談をためらう必要はありません。適切な評価を受けることで、生活に合わせた対処の選択肢が見えてきます。

← 横にスワイプすると全体が見られます

FIG. 05尿意が「予告なく」来るのが、この症状通常のたまり方たまった量 →そろそろ、と分かる尿意ゆっくりたまる過活動膀胱のたまり方急に強い尿意まだ十分たまっていなくても来る膀胱が意図しないタイミングで収縮することが一因とされ、骨盤底の状態も関わると考えられています。
模式図。尿意の感じ方には個人差があります。頻度や量の記録(排尿日誌)が診療の助けになります。

受診の目安

頻尿や尿意で生活に支障がある、急に症状が出た、血尿や痛みを伴う場合は、泌尿器科・婦人科などの医療機関にご相談ください。

早めに相談したいサイン

  • 尿に血が混じる
  • 排尿のときに痛みがある、発熱を伴う
  • 急に尿が出せなくなった
  • 水を飲む量が急に増えた、体重が急に減った

これらに当てはまる場合は、セルフケアで様子を見るのではなく、早めに医療機関にご相談ください。強い痛みや急な変化があるときは、受診できる医療機関を早めに探してください。

主な症状

  • 突然の強い尿意(尿意切迫感)
  • 日中の頻尿・夜間の頻尿
  • 間に合わずにもれてしまうことがある(切迫性尿失禁を伴う場合)

考えられる背景・原因

  • 加齢に伴う膀胱の変化
  • 神経の調節の乱れ
  • 背景に別の疾患が隠れていることもある

なぜ起こるのか(からだのしくみ)

  • 膀胱の壁にある筋肉が、尿がまだ少ない段階で意図せず収縮することがあります。
  • 本来は脳からの指令で排尿のタイミングを調整しますが、その伝達がうまくいかないことがあります。
  • 骨盤底の筋肉がゆるむと、膀胱や尿道を支える力が弱まり、尿意を感じやすくなることがあります。
  • 膀胱の知覚が敏感になり、少量の尿でも強い尿意として感じられることがあります。
  • 生活習慣や心理的な緊張が、症状の出方に影響することもあります。

セルフケアの考え方

  • 水分やカフェインのとり方を見直す
  • 膀胱訓練(排尿間隔を少しずつ延ばす)を専門家の指導のもとで試す
  • 骨盤底のケアを取り入れる

医療機関では何をするのか

  • 問診で症状の出方や生活への影響、水分のとり方などについて詳しく確認されます。
  • 排尿の回数や量を記録する排尿日誌の記入をすすめられることがあります。
  • 尿検査で感染や血尿など、他の原因がないかを確認することがあります。
  • 超音波検査で残尿の量など、膀胱の状態を確認することがあります。
  • 症状の程度を把握するための質問票を用いることがあります。
  • 必要に応じて、より詳しい検査がすすめられる場合もあります。

実際に行う内容は、症状や施設の体制によって異なります。すべてを一度に行うわけではありません。

対処の選択肢(考え方)

生活習慣の見直し

水分やカフェインのとり方、排尿の間隔などを見直すことから始められることが多く、症状の軽減が期待できる場合があります。

まず取り組みやすい方法として案内されることがあります。

膀胱訓練

尿意を感じてから少しずつ排尿間隔をのばす練習です。専門家の指導のもとで、無理のないペースで進めることがすすめられます。

骨盤底筋トレーニング

骨盤底の筋肉を意識して動かすことで、尿意のコントロールに役立つ場合があるとされています。正しい方法を専門家に確認することが大切です。

飲み薬による治療

症状に応じて飲み薬による治療が行われることがあります。体に合うかどうかや現れ方には個人差があるため、医師との相談が必要です。

その他の医療的な対応

生活習慣の見直しや飲み薬で十分な変化が見られない場合、医療機関でさらに詳しい選択肢が案内されることがあります。

どの方法が適しているかは、原因・程度・生活・ほかの病気の有無によって変わります。当協会は特定の方法や製品をすすめる立場にありません。判断は必ず医療機関で行ってください。

日常でできる工夫

  • トイレの場所を事前に確認しておくと、外出時の不安が和らぐことがあります。
  • カフェインやアルコールの摂取量を見直すと、症状の変化を感じる方もいます。
  • 水分を極端に控えるのではなく、時間帯を工夫してとることが大切です。
  • 尿意を感じたらすぐに動かず、一呼吸おいて落ち着く練習をする方法もあります。
  • 冷え対策として、体を温める工夫を取り入れる方もいます。
  • 便秘の解消も、膀胱への負担を減らすことにつながるとされています。
  • ゆったりとした服装や、脱ぎ着しやすい下着を選ぶと安心につながります。

よくある誤解

年だから仕方がない

加齢は背景要因のひとつですが、年齢を理由にあきらめる必要はなく、相談によって対処の選択肢が見つかることがあります。

水分を控えれば治る

極端な水分制限はかえって尿を濃くし、膀胱への刺激が強まることがあるため、量よりもとり方の工夫が大切とされています。

恥ずかしいので誰にも言えない

同じような悩みを持つ人はめずらしくなく、医療機関での相談は珍しいことではありません。

受診のときに伝えるとよいこと

  • 症状がいつ頃から始まったか
  • どのような場面でもれやすいか、または尿意を感じやすいか
  • 1日の水分のとり方やカフェインの摂取状況
  • 困っている場面(外出、睡眠など)とその程度
  • 現在服用している薬やサプリメントの有無
  • これまでに試した工夫とその手応え

よくある質問

過活動膀胱は治りますか?

症状の出方には個人差があり、生活習慣の見直しや専門家の指導によって変化が期待できる場合があります。医療機関で評価を受け、自分に合った対処法を相談することがすすめられます。

何科を受診すればよいですか?

泌尿器科や婦人科、ウロギネコロジー外来などで相談できます。まずは近くの医療機関に問い合わせてみるとよいでしょう。

若い人でもなりますか?

年齢を問わず起こることがあるとされています。ストレスや生活習慣が関わる場合もあり、気になる症状があれば年齢にかかわらず相談してかまいません。

検査は痛いですか?

多くの検査は体への負担が少ないものです。内容や進め方については、受診時に医療機関で確認することができます。

市販薬で対応してもよいですか?

自己判断での対応の前に、まずは医療機関で原因を確認することがすすめられます。他の疾患が隠れている場合もあるためです。

本ページの本文は編集部による下書きです。産婦人科・泌尿器科の専門医による監修を経て確定します。

Medical notice

本ページは一般的な情報提供を目的としています。特定の効果を保証したり、診断・治療に代わるものではありません。症状がある場合は医療機関にご相談ください。

監修:丸山 真理子(産婦人科専門医)