Conditions

夜間頻尿

夜間、排尿のために何度も起きてしまう状態です。原因は膀胱だけでなく、水分・睡眠・全身の状態など多岐にわたります。

共通男性女性

監修:丸山 真理子(産婦人科専門医)

夜間頻尿は、就寝後に排尿のために起きることが続く状態です。一度きりで気にならない場合もあれば、眠りが浅くなり日中の生活に影響が及ぶこともあります。原因は膀胱だけに限らず、夜間につくられる尿の量や睡眠そのものの質、全身の状態など複数の要因が関わることが多いとされています。

加齢とともにあらわれやすくなりますが、背景に対処可能な要因が隠れていることもあります。年齢のせいと決めつけず、原因を整理することが対処の第一歩になります。

← 横にスワイプすると全体が見られます

FIG. 07負担の正体は、回数より「眠りの分断」23時1時3時5時7時続けて眠れる夜何度も起きる夜起きるたびに、深い眠りが途切れる夜だけ尿の量が多い・膀胱にためられない・眠りが浅いなど、背景は一つではありません。何時に起きて何回トイレに行ったかのメモが、原因の見分けに役立ちます。
模式図。夜間に1回以上排尿のために起きる状態を夜間頻尿と呼びます。回数や負担の感じ方には個人差があります。

受診の目安

夜間の排尿で睡眠や生活に支障がある場合は、原因が複数関わることがあるため、医療機関での評価がすすめられます。

早めに相談したいサイン

  • 足のむくみ、息切れ、横になると息苦しいなど、ほかの症状を伴う
  • 強いのどの渇きや体重の変化を伴う
  • 日中もほとんど尿が出ない、または出しにくい
  • 尿に血が混じる

これらに当てはまる場合は、セルフケアで様子を見るのではなく、早めに医療機関にご相談ください。強い痛みや急な変化があるときは、受診できる医療機関を早めに探してください。

主な症状

  • 就寝後に1回以上、尿意で起きる
  • 睡眠の質が下がる
  • 日中の眠気・疲労

考えられる背景・原因

  • 夜間の尿量が多い
  • 膀胱にためられる量の低下
  • 睡眠の問題
  • 全身疾患の影響

なぜ起こるのか(からだのしくみ)

  • 加齢に伴い、夜間につくられる尿の量が相対的に増えることがあります。
  • 膀胱にためられる尿の量が加齢とともに少なくなることがあります。
  • 睡眠が浅くなることで、通常なら気にならない尿意で目が覚めやすくなることがあります。
  • むくみやすい体質の場合、横になることで日中たまった水分が尿として排出されやすくなることがあります。
  • 睡眠時無呼吸など、睡眠そのものの問題が関わっていることもあります。
  • 生活習慣病など全身の状態が、夜間の尿量に影響することもあります。

セルフケアの考え方

  • 夕方以降の水分・カフェイン・アルコールの調整
  • 就寝前の排尿
  • 生活リズムの見直し

医療機関では何をするのか

  • 問診で夜間の排尿回数や量、睡眠の状態について詳しく確認されます。
  • 排尿日誌で日中と夜間の尿量・回数の割合を記録することがすすめられます。
  • 尿検査や血液検査で全身の状態を確認することがあります。
  • むくみや血圧など、背景にある要因を確認することがあります。
  • 必要に応じて、睡眠の状態を調べる検査がすすめられる場合もあります。

実際に行う内容は、症状や施設の体制によって異なります。すべてを一度に行うわけではありません。

対処の選択肢(考え方)

生活習慣の見直し

夕方以降の水分・カフェイン・アルコールのとり方や、就寝前の過ごし方を見直すことで、夜間の回数に変化が見られる場合があります。

むくみ対策

日中の適度な運動や、夕方に脚を高くして休むなど、むくみを翌日に持ち越さない工夫がすすめられることがあります。

睡眠環境の見直し

睡眠の質を整える工夫が、夜間に目覚める回数の変化につながる場合があるとされています。

背景疾患への対応

全身の状態や睡眠の問題が背景にある場合、その対応によって夜間の排尿回数に変化が見られることがあります。

飲み薬による治療

生活の工夫だけで十分な変化が見られない場合、飲み薬による治療が選択肢として検討されることがあります。

原因によって適した対応が異なるため医師との相談が必要です。

どの方法が適しているかは、原因・程度・生活・ほかの病気の有無によって変わります。当協会は特定の方法や製品をすすめる立場にありません。判断は必ず医療機関で行ってください。

日常でできる工夫

  • 夕方以降は水分のとり方を工夫し、就寝直前の一気飲みは避けるようにします。
  • カフェインやアルコールは夜間の尿量を増やすことがあるため、時間帯に配慮します。
  • 就寝前にトイレに行く習慣をつけておきます。
  • 夕方に軽い運動や脚を高くして休む時間を取り入れる方もいます。
  • 冷えを感じる場合は、体を温める工夫を取り入れます。
  • 睡眠環境(部屋の温度・明るさなど)を整えることも役立つとされています。
  • 日中の排尿回数や量も含めて記録しておくと、相談の際に役立ちます。

よくある誤解

年をとれば誰でも起こることだから相談する必要はない

加齢は要因のひとつですが、背景に対処できる要因が隠れていることもあり、回数が多く負担が大きい場合は相談することがすすめられます。

水を飲まなければ夜間の排尿はなくなる

極端な水分制限は脱水や体調不良につながることがあるため、量よりも時間帯の工夫が大切とされています。

睡眠薬を飲めば根本的に解決する

睡眠の問題が背景にある場合は睡眠への対応も選択肢のひとつですが、原因によって適した対処は異なるため、まず評価を受けることがすすめられます。

受診のときに伝えるとよいこと

  • 就寝後に何回程度起きてトイレに行くか
  • 夜間と日中、それぞれの排尿量のおおよその割合
  • むくみやすさ、持病や服用中の薬
  • 睡眠の質(寝つき、いびき、目覚めの状態など)
  • 夕方以降の水分・カフェイン・アルコールの摂取状況

よくある質問

夜1回起きるのは普通ですか?

夜間の排尿回数の感じ方には個人差があり、回数だけでなく生活への影響の大きさが目安になるとされています。気になる場合は医療機関に相談してください。

水分を控えれば改善しますか?

夕方以降のとり方を工夫することは役立つ場合がありますが、極端な水分制限はすすめられません。全体の水分量よりも時間帯の調整が重要とされています。

何科を受診すればよいですか?

泌尿器科のほか、原因によっては内科や睡眠を扱う診療科と連携することもあります。まずは近くの医療機関に相談するとよいでしょう。

加齢以外の原因もありますか?

睡眠時無呼吸や生活習慣病、むくみなど、膀胱以外の要因が関わっていることも多いとされています。全身の状態とあわせて評価することがすすめられます。

本ページの本文は編集部による下書きです。産婦人科・泌尿器科の専門医による監修を経て確定します。

Medical notice

本ページは一般的な情報提供を目的としています。特定の効果を保証したり、診断・治療に代わるものではありません。症状がある場合は医療機関にご相談ください。

監修:丸山 真理子(産婦人科専門医)